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第23話 暗躍と告白

Author: みみっく
last update Huling Na-update: 2025-07-09 07:00:41

♢兵士との遭遇

 今回、森に送り込まれてきた五人組の兵士たちは、まさにユウの得意とする暗殺術の格好の標的だった。

 彼らは鎧を身にまとい、視界の悪い森の中を慎重に進んでいた。だが、その重装備こそが命取りだった。鎧の金属は枝葉に引っかかり、動きは鈍く、視界は兜の縁に遮られて狭い。森の気配を読むどころか、足元の音すら聞き取れていない。

 ユウはその隙を逃さなかった。

 木々の影を縫うように、音もなく忍び寄る。風のざわめきに紛れ、気配すら感じさせずに背後へと回り込むと、あらかじめ用意していた短く鋭いナイフを、鎧の隙間――肩甲骨の下、首の付け根、膝裏など――急所に正確に突き立てた。

「……一人。」

 ナイフを引き抜くと同時に、兵士の身体は音もなく崩れ落ち、苔むした地面に吸い込まれるように沈んだ。

 ユウはすぐさま次の標的へと移動する。六人は縦一列の隊列を組んでいた。最後尾から順に、まるで影が一人ずつ消えていくように、兵士たちは静かに倒れていった。

「……二人、三人。」

 その手際はまさに職人技だった。無駄な動きは一切なく、殺意すら感じさせない冷静さ。森の闇と一体化したかのような動きで、ユウは四人目の兵士の喉元を一閃で裂いた。

 そして、先頭を歩いていた兵士がふと異変に気づいた。

「……あれ? おい、何してる、こんな時に――」

 振り返った彼の目に映ったのは、誰もいない隊列の後方だった。仲間たちがふざけて隠れているのかとでも思ったのか、彼は一人、後ろへと戻り、倒れている兵士の肩を揺すった。

「おい、起きろよ……って、え?」

 その瞬間、彼の背後に忍び寄ったユウの影が、最後の一撃を静かに、そして確実に突き立てた。

「……五人、完了。」

 森は再び静寂を取り戻した。風が枝葉を揺らす音だけが、まるで何事もなかったかのように、淡々と響いていた。

 最後に残しておいた情報を聞くための兵士がただ一人残っていた。

 突然、兵士の背後から冷たく、威圧感のある声がかけられた。

「お前達は何しにきたんだ?」

 ユウの冷たい声に恐怖と殺気を感じ、兵士は正直に聞かれたことに答えた。

「王女様の捜索です。情報を知っていると思われる、この森に住む男の捜索もです」

 ユウはさらに問い詰めた。「王女の命を狙っている者を知っているか?」

 兵士の中では有名なことで、秘密でもなかったので兵士は正直に答えた。「王子様の派閥が王女様を狙っています。その暗殺部隊も今回、同行しております」

 ユウはその情報に驚きながらも、冷静に状況を把握しようとした。

「何人だ?」ユウは冷静な声で問いかけた。

「3人です」兵士は恐怖に震えながら答えた。

 ユウは倒れている兵士の鎧を脱がせ、自分が鎧を着て兵士に紛れることにした。

「案内してもらおう。変な言動があれば即座に殺す」ユウは冷たい目で兵士を見つめ、威圧感を放った。

「わ、わ、分かりました……」兵士は怯えながらも、ユウに従った。兵士に案内され、町にある宿屋の中に入った。

「あちらの部屋です」兵士は指を差し、部屋の位置を示した。

「自分の仲間が、猛獣に襲われて助けて欲しいと言え」とユウは冷静な声で命じ、兵士に指示を与えた。

 兵士は震えながらもユウの命令に従い、部屋の中に入っていった。

 無事に誘い出すことに成功し、森の中へ誘い出せた。兵士が仲間の倒れている現場に着いた時、慌てて駆け寄って動揺していた。その瞬間を見逃さず、ユウは3人を始末した。

 案内役の兵士に続き、後ろを歩いている所をユウが後ろから護衛という形で参加し、後ろからナイフで首を切って順番に暗殺していった。

「え、暗殺部隊ってこんな簡単に倒せるものなのか?」暗殺部隊の精鋭が簡単に暗殺されてる……? ユウは心の中で驚きながらも、冷静に状況を把握していた。

 もっと戦闘的な事になると警戒して損した気分だな……

「助かった。お前は殺さないでやる」とユウは冷たい声で言い放ち、兵士に威圧感を与えた。

「有り難いです。あ、あの……これだけは、お聞かせください。……王女様はご無事なのでしょうか?」兵士は恐怖と不安を抱えながら尋ねた。

「この先で倒れていたので治療したが、残念ながら亡くなった。俺が、この手で埋葬した」ユウは冷静に答え、その言葉には悲しみが込められていた。

「この森に住む男が、女性物の服を買ったと情報がありまして……それは?」兵士は続けて聞き、ユウの反応を伺っていた。

 あの時か……。あの時は、浮かれていて軽率な行動をとったな……と、ユウは心の中で思い出しながら答えた。

「その者たちはすでに、この世にいないな。猛獣に襲われて食われていたぞ」

 兵士は驚きながらも、さらに問いかけた。「では、なぜあなた様は兵や暗殺者を殺したのですか?」

「兵を殺したのは、この森が俺の住処だからだ。不必要に踏み荒らされるのは、気に入らなかった。」

 ユウの声は低く、感情の起伏を感じさせない。だが、その静けさの奥には、鋭く研ぎ澄まされた殺意が潜んでいた。

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